アルミ型材とは
アルミニウム(アルミ)は、鉄や銅と比較して密度が約1/3と低く、その軽量性から航空機、船舶、車両などの交通機関や建築、土木資材としての利用において重要な役割を果たしています。大気中で耐食性に優れた酸化皮膜を自然に形成する特性を持ち、鉄が赤錆びるのとは異なり、腐食の心配が少ないです。さらに、アルマイト処理という表面処理により、耐食性や耐摩耗性を大幅に向上させることが可能で、これにより美しい銀白色の光沢を長期間保持することができます。電解発色や染色などによってさまざまな色を付けることが可能であり、アルミニウムは多岐にわたる用途に使われています。
アルミニウムは展伸性に優れているため、板、箔、棒、管、線、型材など、様々な形状の製品を容易に製造することができます。また、成型加工や切削加工など、加工性にも優れており、製品製造の効率化に貢献しています。
近年、アルミニウムのスクラップリサイクルが他の金属に比べて容易であることが再評価されており、資源の有効活用という観点からもアルミニウムの重要性が高まっています。
アルミの型材(アルミニウム型材)は、アルミニウムを原材料として、さまざまな断面形状に押し出し成形された製品です。軽量でありながら強度が高く、耐食性にも優れているため、建築材料、自動車部品、電気・電子機器の部材など幅広い分野で使用されています。
特徴
- 軽量性: アルミニウムは非常に軽量で、鋼材に比べて約1/3の密度しかありません。このため、運搬や組み立てが容易で、燃料効率の改善にも寄与します。
- 高い耐食性: アルミニウムは自然環境下で表面に酸化皮膜を形成し、この膜がさらなる酸化を防ぐため、耐食性に優れています。
- 加工性: 押し出し成形により、複雑な断面形状の製品を一度に成形することが可能です。これにより、製品の多様化に対応しやすくなります。
- リサイクル性: アルミニウムは100%リサイクル可能な材料であり、リサイクル時のエネルギー消費も原料から製造する場合の約5%に過ぎません。
用途
アルミの型材はその特性を活かして、様々な用途で利用されています。
- 建築分野: 窓枠やドア、ファサード(外壁)、内装などに使用されます。
- 自動車産業: 車体のフレームや内装パーツ、ラジエーターの冷却フィンなどに使われ、軽量化と燃料効率の向上に貢献しています。
- 電気・電子分野: 熱交換器、放熱部品、ケース類など、熱伝導性や耐食性が求められる部品に採用されています。
製造プロセス
アルミの型材は主に次の工程で製造されます。
- 加熱: アルミニウム棒(ビレット)を押し出し前に加熱します。
- 押し出し: 加熱したビレットを押し出し機に入れ、型(ダイ)を通して所望の形状に押し出します。
- 冷却: 押し出された型材を冷却し、強度を高めます。
- 熱処理: 必要に応じて、さらなる強度向上のための熱処理が行われます。
- 表面処理: 腐食保護、装飾、または特定の表面特性を得るために、陽極酸化処理、塗装、電着塗装などの表面処理が施されることがあります。
このようにして製造されるアルミの型材は、その軽量性、強度、耐食性、加工性の高さから、多岐にわたる産業で重宝されています。
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