アルミ型材で製品を作る際の設計のポイント
アルミ押出型材は、建築・産業機器・日用品など幅広い分野で活用される素材です。その最大の魅力は「自由度の高い断面設計」が可能な点にあります。しかし、設計の自由度が高いからこそ、適切なポイントを押さえておかないと、コスト増や強度不足につながりかねません。本コラムでは、アルミ型材を用いた製品設計において意識すべきポイントをご紹介します。
1. 強度と軽量化のバランス
アルミは鉄に比べて比重が約3分の1と軽量でありながら、適切な断面形状を工夫すれば十分な強度を確保できます。
- 肉厚を必要以上に厚くしないことで材料コストを抑える。
- リブ(補強筋)や中空構造を活用して軽量かつ強度の高い断面を実現する。
2. 加工性を考慮した断面形状
押出型材は複雑な形状が可能ですが、あまりに細かい凹凸や急激な断面変化は製造が難しくなります。
- **最小肉厚やコーナーのR(丸み)**を規格に沿って設計する。
- 組立時のねじやボルト位置を考慮し、溝や穴の配置を工夫する。
3. 表面処理を前提とした設計
アルミ型材はアルマイト処理や塗装などの表面処理を行うことが一般的です。
- 処理ムラを避けるため、水切れや電解液の流れを妨げない断面設計が望ましい。
- 外観製品では、意匠性を重視した見せ面の処理性を考慮することが重要。
4. 組立・施工のしやすさ
製品化を前提とする場合、設計時点で組立工程を意識することが不可欠です。
- 標準的な金具や部品と適合する断面寸法にする。
- 現場施工を意識し、位置決め用の溝やクリアランスを設ける。
5. コスト最適化
複雑な断面や極端な設計は押出型の寿命を縮め、製造コストを押し上げます。
- 共通断面の利用や既存型材との組合せを検討する。
- 必要な機能を満たす中で、できる限りシンプルな断面にすることが理想です。
まとめ
アルミ型材の設計は「軽量・強度・加工性・施工性・コスト」の5つの視点をバランスよく取り入れることが重要です。自由度の高さを活かしつつ、実際の製造や使用現場を想定した設計を行うことで、競争力の高い製品開発につながります。

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