アルミ形材の材質、どう選ぶ?——A6063・A6061・A6N01の違いと選定のポイント
「アルミ形材で」とご依頼いただく際、材質の指定が「アルミ」だけになっているケースは少なくありません。しかしアルミ形材には複数の材質(合金)があり、選び方ひとつで強度・仕上がり・コスト・納期が大きく変わります。
本コラムでは、形材で特によく使われるA6063・A6061・A6N01の3材質について、違いと用途別の選び方、発注前に確認しておきたいポイントをご紹介します。
そもそもアルミ形材とは
アルミ形材(押出形材)は、加熱したアルミのビレット(円柱状の塊)を金型に押し通し、ところてんのように一定の断面形状で成形した材料です。アングルやチャンネル、パイプといった汎用品のほか、金型を起こせば用途に合わせたオリジナル断面も製作できます。
形材に使われる材質の多くは、アルミにマグネシウムとシリコンを加えた「6000系」と呼ばれる合金です。押出しやすく、熱処理で強度を上げられるため、建材から機械部品まで幅広く使われています。同じ6000系でも成分の違いにより、性格がはっきり分かれます。
代表的な3材質の違い
| 項目 | A6063 | A6N01 | A6061 |
|---|---|---|---|
| 代表的な調質 | T5 | T5 | T6 |
| 引張強さの目安(JIS規格値) | 155 N/mm²以上 | 245 N/mm²以上 | 265 N/mm²以上 |
| 押出しやすさ・複雑断面 | ◎ | ○ | △ |
| 表面の美しさ・アルマイト仕上がり | ◎ | ○ | △ |
| 耐食性 | ◎ | ○ | ○ |
| 主な用途 | サッシ、ルーバー、手摺、装飾材、汎用形材 | 車両構体、構造フレーム、荷台 | 機械部品、治具、強度部材 |
A6063 は形材の「標準材質」です。押出性に優れ、薄肉や複雑な断面でもきれいに仕上がります。アルマイトの発色も良く、建材や意匠部材の大半はこの材質です。
A6061 は6000系の中でも強度が高い材質です。強度が求められる構造部材や機械部品に使われますが、押出しにくいため断面形状や肉厚に制約があり、価格・納期面でも不利になりがちです。
A6N01 は両者の中間に位置する材質です。A6063に近い押出性を保ちながら強度を高めており、鉄道車両などの大型構造形材で多く採用されています。
用途別の選び方
迷ったときは「見た目が大事か、強度が大事か」から考えると整理しやすくなります。
- 見た目・意匠性を重視する(ルーバー、手摺、見切り、化粧カバーなど):A6063が第一候補です。アルマイトや塗装の仕上がりが安定し、断面の自由度も高くなります。
- ある程度の強度と断面の自由度を両立したい(架台、フレーム、大型の構造形材など):A6N01を検討します。A6063で肉厚を増やすより、軽くまとまる場合があります。
- 強度が最優先(機械部品、治具、荷重のかかる部材など):A6061が適しています。ただし断面形状が制約を受けやすいため、早い段階で押出メーカーとの確認が必要です。
「強そうだからA6061」と選んだ結果、必要以上にコストと納期がかかってしまうケースも見られます。求められる強度を確認したうえで、A6063の断面形状の工夫で足りないかを先に検討するのが近道です。
発注前に確認したい3つのポイント
1. 調質(T5・T6など)まで指定する
同じ材質でも、熱処理の状態を示す「調質」によって強度は大きく変わります。図面に「A6063」とだけあると、見積条件がそろわない原因になります。「A6063-T5」のように調質まで明記しておくと安心です。
2. 表面処理を先に決めておく
アルマイト、塗装、無処理(生地)のどれにするかで、適した材質や押出時の管理が変わります。特に意匠部材は、材質と表面処理をセットで考えることで仕上がりのムラを防げます。
3. 汎用断面で済むか、金型を起こすかを見極める
汎用品の断面で対応できれば、金型費がかからず短納期で手配できます。オリジナル断面の場合は金型費と製作期間が必要になる一方、加工工程を減らして部品全体のコストを下げられることもあります。数量や今後の継続性も含めて判断することが大切です。
材質選びからユニテックにご相談ください
アルミ形材の材質は、強度だけでなく仕上がり・コスト・納期まで含めて選ぶことが重要です。図面の段階で材質や断面が決まりきっていなくても問題ありません。
ユニテックは日鉄物産グループの非鉄金属商社として、アルミ型材(アルミ形材)を中心に、複数の押出メーカーとのネットワークを活かした材料手配を行っています。汎用品の在庫手配からオリジナル断面の金型製作、切断・穴あけなどの加工、表面処理まで、一括でご相談いただけます。
「この用途ならどの材質が良いか」「今の材質指定でコストを下げられないか」といったご相談も歓迎です。まずはお気軽にお問い合わせください。
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